痛みだけは分かっているから

Lyu:Lyu『GLORIA QUALIA』
Lyu:Lyu GLORIA QUALIA
その死生観を生活の中の具体的な手触りとして歌い込み、クッキリと刺激的なバンド・サウンドでパックして届けて来る3ピースのスタイルは今回も一貫している。Lyu:Lyuは、世にその名が知られる頃には既に明確な表現スタイルを確立していたバンドだった。もちろん演奏の精度や力強さは向上しているけれども、根幹にあるエモーションの輪郭と鮮度は、何か啓示を受けているかのようにブレない。Vo・Gのコヤマヒデカズは、ボカロPのナノウ(ほえほえP)としても知られているが、僕がLyu:Lyuに触れて第一に思うのは、その生々しい歌詞世界やメンバーの経歴よりも、バンドとしての「音」の記名性と迷いの無さについてだ。
 かつて、エモーショナルなロックにサウンドのいびつさは付き物だったけれど、激しい爆音に至るまで統制が行き届いたようなLyu:Lyuのサウンドは、メッセージを潤滑に届けるためのツールとして機能している点が面白い。全7曲、すべてのナンバーで手を尽くしながらパンチラインを掴み取って来る、痛みを伴った歌詞のクオリティも相変わらず素晴らしい。命に戸惑い、命を伝える一枚。(小池宏和)
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