マウント・キンビーが、でっかくなって帰ってきた。実際に、デュオから正式な4人組バンドへと、新たな編成に移行してシーン最前線に戻ってきたのだ。
ここ数年、カイ・カンポスとドム・メイカーは、プロデュース業やDJ、ソロアルバムなど個々のプロジェクトに邁進していたが、以前から作品やライブに携わっていたアンドレア・バレンシー・ベアーンとマーク・ペルを迎え入れつつ、化学反応を丹念に練り上げることで、エレクトロニックミュージックとインディロックの理想的な融和点と呼ぶべきニューアルバム『ザ・サンセット・ヴァイオレント』を完成させたのである。
「何かを言いたかったというよりも、最初に書いたのが、ひと組のカップルが中国のビーチリゾートにいるという描写で、これは面白そうだな、これなら筆が進みそうだと思って、それを曲の中心に据えることにしたんだ。そしてその元の火花を頼りに作り上げていくという」
インタビュー記事本文ではカットしたが、ドムはリード曲“ダム・ギター”についてこう語った。
〈Warp Records〉と契約して10年以上のキャリアを経てきたというのに、驚くほどピュアでフレッシュな創作意欲に駆り立てられていることがよく分かる。(小池宏和)
マウント・キンビーのインタビューが掲載されるロッキング・オン5月号