ノーリッシュド・バイ・タイム——US発の次世代型アートプロジェクトの全容に迫る!

ノーリッシュド・バイ・タイム——US発の次世代型アートプロジェクトの全容に迫る!

2025年の台風の目となる、大注目の作品がリリースされた。

あのワンオートリックス・ポイント・ネヴァーが「アーサー・ラッセルがダフト・パンクと出会い、そこにディープなR&Bが溶け込む。唯一ネクストレベルだと本気で思った新しい音楽」と称賛の言葉を贈る、ノーリッシュド・バイ・タイムのセカンドアルバム『ザ・パッショネイト・ワンズ』のことだ。

このメリーランド州ボルチモア出身のシンガーソングライター/プロデューサーに対して、業界がかつてない熱視線を注いでいる理由は、紛れもない魅力的な才能が、今まさに爆発しようとしているタイミングであるからだ。

2023年にリリースしたデビューアルバム『エロティック・プロバイオティック 2』が多数のメディアの年間ベストに選ばれ、さらに2024年に発表したEP『キャッチング・チキンズ』では収録曲“ヘル・オブ・ア・ライド”が多くの2024年ベストソングに選出。

期待が最大限高まる中、XL Recordingsからのリリースを通してさらなる国際的な舞台へとステップアップしたことで、音楽や映像といったすべてのスケール感が拡大中だ。

事実、最新シングル“ベイビー・ベイビー”のミュージックビデオでは、アメリカンドリームとボルチモアの現実を重ねた風刺をラフな映像で語りきる。彼の社会的主題と個人的感情が豊かに交錯する作風が、2025年のシーンにおける中核となるのは間違いない。

今作でも、資本主義への批評や労働者の視点、さらには愛の探求といった思想が詩的に綴られる。作詞/作曲/プロデュースから映像ディレクションまですべてを自ら手がけるようなDIY志向も継続しており、ますますアートとしての一貫性が打ち出されている。

たとえば“9 2 5”は、創作における葛藤を鮮やかなボルチモアクラブ風トラックに乗せた。“ウェン・ジ・ウォー・イズ・オーバー”では、かつて聴いたことのないほどのブリリアントな音色が披露され、圧倒的な艶っぽさに驚くほかない。

9月からは、ボルチモア公演を皮切りに、北米/欧州を巡るツアーもスタート。気鋭のアーティストを迎えたラインナップも話題で、このまま、今年はノーリッシュド・バイ・タイムの年になるのは間違いないだろう。大注目のアルバムを、まずは聴いてほしい。(つやちゃん)



ノーリッシュド・バイ・タイムの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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