文=中村明美
アメリカのフェス・シーズンの幕を開けるカリフォルニア州のコーチェラ・フェスティバルが3 年ぶりにとうとう帰ってくる(はず)! 去年は、夏以降にシカゴのロラパルーザはじめ、ラスベガスのライフ・イズ・ビューティフルや、NYのガバナーズ・ボールなどフェスが徐々に復活していたが、やはり、コーチェラこそアメリカを代表するフェスだ。
その規模は1日12万5000人×6日間だし、メンツが毎年最もクールな上に最強。さらに、4月開催なのでフェス・シーズンの開始を告げる役割も果たしていた。つまり今年コーチェラが開催されることで、コロナ後のアメリカにフェスが完全復活したことを告げることになると思うのだ。
今年は通常の4 /15~17と4 /22~24に開催。何しろヘッドライナーが超豪華で、ハリー・スタイルズ、ビリー・アイリッシュ、そしてYe(カニエ・ウェスト)だ。ちなみに現時点ではコーチェラはワクチン接種済みか72時間以内の検査で陰性であれば入場可。それ以外は、コロナ前同様で、ソーシャル・ディスタンスもないし、歓声もOKだ。
延期前に予定されていたヘッドライナーのレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、トラヴィス・スコット、フランク・オーシャンが、それぞれの理由でキャンセルとなってしまったが、最新の3組も今最もヘッドライナーにふさわしいメンツだと思う。
偶然にも3組とも去年観ているけど、ビリーは、20歳という史上最年少でヘッドライナーを務める。2019年に初のコーチェラ出演時はメイン・ステージですらなかったが、去年NYでグローバル・シチズンでの短い出演でも圧巻だったし、ガバナーズ・ボールはじめいくつかのフェスでヘッドライナーのパフォーマンスを観たけど、そこに立つ運命であったかのように見事なライブだった。
ハリーは、去年グラミー賞で観客なしの寂しいイベントを華やかに盛り上げたように、去年全米で完売のツアーも、アイドル路線とは全く違う難しいサウンドに挑戦しながら、観客を100%幸せで満たす正に今必要なライブを展開した。
Yeは、アーティスティックで並外れたレベルの高いコンセプトとそれを形にする実力と天才的な話題作りで、観ずにいられないイベントを行った。その他も去年のロラパルーザでヘッドライン以上に熱狂だったミーガン・ザ・スタリオンから、日本から出演のきゃりーぱみゅぱみゅなど見所満載。
88rising’s HEAD IN THE CLOUDS FOREVERというステージも設けられ、アジア系の話題のアーティストが出演する。日本からも誰か出るのでは?と期待している。(以下、本誌記事へ続く)
アメリカのミュージック・フェス事情の記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。