マライア・キャリーはやっぱスゴかった

マライア・キャリーはやっぱスゴかった

昨日、横浜アリーナでマライア・キャリーのライヴを観てきたんだけど、いやあ、さすが一時代を完全に築き上げたディーヴァ。
とにかく大味なアメリカン・エンターテインメントにたっぷり楽しませてもらいました。
正直、どうも本調子ではなかったらしくて、曲によっては声をちゃんと出し切れていなかったが、彼女の歌そのものはそれを押し切るぐらいの圧倒的な説得力を誇っていたし、とにかくマライアのオーラというか、存在感がもう凄まじかった。
セットリストはキャリアを網羅していたし(最新作の曲が少なかったのは笑えたけど)、聴きたい曲はほとんど全部やってくれたし、演奏力がずば抜けてかっこよかったバックバンドとのケミストリーも抜群。
ともに来日して、実は自分のすぐそばに座っていた双子の子供たちにちょいちょいメッセージを捧げたりしていて、”母親”としての側面を見れたのも新鮮だった。

個人的に一番嬉しかったのは、冒頭、ボビー・ウーマックの"Across 110th Street"の生演奏を経て、ステージに登場したマライアが歌い上げた1曲目が"Fantasy"、しかもウータン・クランのOl' Dirty Bastardをフィーチャリングしたヴァージョンだったこと。
それまでの清純派のイメージから脱皮して、一気にヒップホップに接近したこの頃のマライアはホントに輝いていたし、この曲のこのヴァージョンは、同じくウータンのMethod Manとメアリー・J・ブライジのコラボ・シングル"I'll Be There for You/You're All I Need to Get By"と並ぶ、まさに時代を象るクロスオーバー・クラシック。
そんなちょっとダーティになったマライアを象徴する曲のあとに、エロス満載のヒット・チューン"Touch My Body"に流れるというセットリストにはツボを突かれまくった。
さらにMVの放映とともに演奏された"Honey"も、Maseのラップが思い切りフィーチャリングされたヴァージョンだったし、"Emotions"とか"Visions Of Love"とかも素晴らしいんだけど、型を破ることで現在の地位を築き上げたマライアの功績が前面に出ていたのはホントに良かった。
最後、"We Belong Together"で大団円を迎え、観客の期待を裏切りアンコールをやらないまま終焉を迎えたマライアだが(土曜日は幕張で"Heroes"をアンコールでやっていたのに)、それもまたご愛嬌。
マライアのすごさを改めて実感させられるパフォーマンスだった。(内田亮)
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