D.A.N.とは「懐かしさ」である、と思ったリリースパーティ

D.A.N.とは「懐かしさ」である、と思ったリリースパーティ
渋谷WWWでの、配信シングル“POOL”のリリースパーティ。
VJともコラボレーションしたライヴを観て、改めていいバンドだなあと思いつつ、光と音が完全にフィットした演出にぶっ飛びつつ、MCでのシャイボーイっぷりにほっこりしつつ、僕が感じていたのは懐かしさにも似た感覚だった。

D.A.N.の音楽はメロウでミニマル、だけじゃなくて、どこか日本の土着的なニュアンスを感じさせる。やっていることはきわめて鋭敏なセンスに基づいたモダンなことなんだけど、その土着的なニュアンスのおかげで一気に普遍的でノスタルジックなものになる。それは音色だったり、メロディだったり、歌詞の端々だったりに宿っている。

本人たちにそういう自覚があるかどうかはわからないけど、D.A.N.は洋楽のチルウェイヴなどが体現していたエスケーピズムを、日本の精神性と空気の中で完璧に表現する初めてのバンドかもしれない。未来ではなく過去、ここではないどこかではなく懐かしいあの場所。D.A.N.が目指すのはそういう景色だ。
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