毎年恒例NYのフェス、「The Governors Ball Music Festival」が、5月31日~6月2日 Randall's Islandで開催中。これから2日目に行くので、短くて申し訳ないですが、その速報をお届け!
1)サマソニ出演BROCKHAMPTONが飛行機で登場
メインステージのトリ前BROCKHAMPTONが驚き!飛行機で登場した。
しかも始まりはCiarán Mcdonaldが宇宙服でいきなり空から舞い降りるというドラマチックな幕開け。ステージには巨大な物体が布で隠されていて、Ciaránがステージに降り立った途端にその幕が開いて、その中から飛行機に乗ったメンバーが登場するというこの日最もドラマチックな始まり方だった。
こちら。
彼らの後に初のヘッドライナーを飾るのが、タイラー・ザ・クリエイターであった。彼らがもちろん最も尊敬するアーティストだと思うので、彼の前に盛り上げて恩返しという最大のリスペクトの表れであると同時に、彼に負けない最高のライブをしてやるんだ、というとてつもない気合いを感じるライブだった。
ボーイズバンドとラッパー集団を混ぜたようで、それがマジなのか、茶化しているのか?!というところも興味深かった。キッズ達の狂ったような盛り上がりを観て、どれだけ人気があるのかも実感した。
2)フジロック出演ミツキ 机プレイに感動
ミツキが最新作の『ビー・ザ・カウボーイ』を発売した直後のスペシャル・ライブで、器械体操のようなパフォーマンスをし、アンコールまでギターを弾かないという思い切りコンセプチュアルなライブをしていた。初めて観た時は、彼女のライブで感じるカタルシスのようなものが失われてしまったのではと心配したが、それから1年弱、フェスという野外で、自分のファンのみではない場所でもそのコンセプトが通じるエンターテイメントに作り上げていたので感動した。机と器械体操を交えて、机と葛藤しながらカタルシスをもたらすという最高のライブをやってのけた。
3)タイラー・ザ・クリエイター、初のヘッドライナーに自ら涙
初日のヘッドライナーは本来カニエ・ウェストだったのだが、コーチェラと同様法外なセットの制作を要求したためフェス側からキャンセルされた。
それに変わって繰り上げでヘッドライナーとなったタイラー。少し心配だったが、堂々ヘッドライナーをやってのけた。アメリカでは正に、絶賛されている最新作『IGOR』が全米1位を飾っているという瞬間。「俺は常にアウトサイダーで誰にも認められてこなかったけど、みんなのおかげで今世界で一番売れてるアーティストになった。どうもありがとう」と心から言っているのが分かった。
しかも、最後には、「ほら見ろ、もう胸がいっぱいで目に水がたまってる」と言っていたが、本当に目に涙がたまっていた。“IFHY”では歌詞を忘れてしまったのだけど「歌詞を忘れたけどこの部分だけは覚えている」と言って「I LOVE YOU」とラップして会場がじーんとしていたり、「俺はもう疲れてるんだ」と相変わらず正直な悪態を付いたり。しかし、何が感動的だったかと言うと、初のヘッドライナーだったのに、そのセットは非常にシンプルなものだったこと。センスは抜群ではあったけど、飛行機がないどころか、花火もパイロもなかった。しかも、誰もゲストパフォーマーを呼ばずに、1人で最後までやりのけてしまったのだ。でも実際、ゲストも飛行機もいらいないくらい、彼だけで十分な、ものすごくエモーショナルで、彼の大きさを感じるライブだった。1時間15分のライブが本当にあっと言う間に終わってしまった。
これがMTVの一部映像。タイラー自身も「俺がカッコ良すぎてやべえ」とコメントしてる(笑)。ネオンカラーのスーツに、ブロンドヘア、それだけで本当にカッコ良かった。
4)ジュリアン・カサブランカスが観せた初のパフォーマンス
ジュリアン・カサブランカスは初日にThe Voidzで出演し、最終日にザ・ストロークスでヘッドライナーだが、この日The Voidzで驚きのパフォーマンスを観た。Erkin Korayを彷彿とさせるトルコサイケデリックサウンド+『The Warriors』+少しストロークスな、彼ら独自の前向きなエクスペリメンタルにますます磨きがかかっていて、彼がこのバンドをやりたい意味というのがさらに明確に伝わったとライブだった。
しかし、何より驚いたのが、ジュリアンがこれまでにないアグレッシブなパフォーマンスを展開していたこと。彼のライブはこれまでデビューした当初からずっと観てきているが、ちょうど1年前に最新のThe Voidzのライブを観た時も、ステージは真っ暗だし、ジュリアンは後ろに向かってばかり歌っていた。それなのに、この日はなんとステージのさらに前の台の部分に最初からそして何度も何度も出て来て笑顔で観客とコミュニケーションを取ろうとしていた。びっくり!!!!これが最新のジュリアンのモード。心境の変化か???
しかもどう隠そうとして隠しきれないスター性、カリスマ性がありすぎて、やっぱりこの人は特別な存在なのだということも確信した。シャッターを押した数が半端なかった(笑)。
5)その他:
は ブラッド・ オレンジバンド・メンバーだけ観ていも彼がいかにアウトサイダーでありながらも、カッティング・エッジでクールなのか証明するようなライブ。リル・ウェインはとりわけヒップホップが変わり続ける今、新しめの曲を披露しながらも王道とは何かを今の若者達に見せつけていた。ファッションセンスも最高だった。
ヒッポー・キャンパスは、この日女の子達のきゃーきゃー声と大合唱1位という盛り上がりだった。
6)個人的にはこの日の一番感動したのは、タイラーの格好をしてきていたファンがいたこと。観客が楽しそうなのを観るがいつでも一番嬉しい。この日の観客は全体的にものすごく若かったように思う。あと2日間も楽しみだ!