そこになんとキース・リチャーズ本人も登場したのだ!びっくり。
元々本人が来るというのは難しいだろう、と言われていたのだけど、実は密かに、絶対来るに違いない思っていたのだ。というのも、試聴会の場所であるエレクトリック・レディ・スタジオから歩いて5分くらいの場所にアパートがあるから!もちろん、キースが歩いて来たとは思えないけど、今ツアーもやっていないし、23年ぶりのアルバム試聴会があったら来るのではないかと思ったのだ。
そしたら本当に来た!!!!新作への意気込みが伝わってくる。
スタジオに到着したら、まず部屋に入る前に、携帯電話は没収されてしまった。つまり、残念ながら中の様子は写真で撮れなかった。各イスやソファには、トラック・リストが書かれたカードと、キースの名前入りのメモ帳と鉛筆が置かれていた。電話で録音もできないし、それにメモしてね、ということだ。
ワインやビールなども振る舞われ、軽食まで出された。集合時間も午後7時半だったし、アメリカではよくあることけど、ワインも軽食もおいしかった。
だいたい5、60人はいたと思うけど、見るからにアメリカのジャーナリストと関係者ばかりで、海外のメディアはほとんどいなかったように思う。
そして、みんなでわいわいしているところへ、キースが登場!!!!うわわわ。
目の前に来たのだけど一瞬にして地元の重要そうな人に囲まれてしまった。隣にいたジャーナリストが言っていたけど、キースに挨拶に行くのはローマ法王並みに難しいと思うと。PR担当の人も、重要そうな人を呼んで、”法王”に会わせようとしていたので、そこは残念だけど見守るだけとした。
キースはめちゃくちゃ細い脚で黒のジーンズを穿いていて、グレーのスニーカーを履き、ワイン色のTシャツを着て、革のジャケットを着て、ラスタカラー風のバンダナをまいていた。確かに法王のような輝きを放っていたけど、気さくにみんなと歓談していた。一緒に今作を作ったスティーヴ・ジョーダンも来ていた。
一段落したところで、キースが改めて紹介された。会場もちろん大喝采!
キースは、まず「このアルバムを作るために助けてくれた人達、本当にありがとう」とマネージメントの方達にお礼を言い、それからもちろんスティーヴ・ジョーダンにもお礼を言った。
「これはみんなでコラボレーションしたおかげでできた賜物という作品であり、それを証明できたと思っている。みんながどう思ってくれるのか楽しみだ。今日聴いて気に入ってくれたら、ぜひアルバムを買ってくれ!(笑)」。
キースのスピーチは短かったけど、その場にいるというだけでも貴重だし、ありがたかった。
そしてアルバムが全曲スピーカーから流れた。
アルバムの詳細についてはまだ書いてはいけないことになっているのだけど、全体のスピリットとしては、すでに公開されている”トラブル”のような感じ。つまり、みんなが期待しているキース印な曲が、非常に気持ちいい形で凝縮したような、誰にとっても一番嬉しいと言える素晴らしい曲が結集しているアルバムと言えると思うのだ。曲のバラエティは色々とあるのだけど。
全15曲。
1曲が終わるごとに、会場から大喝采だった。
キースは、スティーヴ・ジョーダンと後ろに立ってずっと我々と一緒に聴いていたんだけど、みんなの反応に満足したのか、13曲目の"Goodnight Irene”まで終わったところで、本当に「グッドナイト!」と言って帰った。
今後、rockin’on本誌で、もう少し詳しくアルバムの曲内容がご紹介できるのではないかと思う。
すでに発表になっている”トラブル”をまだ聴いてない方こちら。
アルバム全15曲のトラックリストは以下の通り。11曲目にノラ・ジョーンズが参加している。
1. Crosseyed Heart
2. Heartstopper
3. Amnesia
4. Robbed Blind
5. Trouble
6. Love Overdue
7. Nothing On Me
8. Suspicious
9. Blue in the Morning
10. Something for Nothing
11. Illusion
12. Just a Gift
13. Goodnight Irene
14. Substantial Damage
15. Lover's Plea
ほとんどの曲で、キースが、ギター、ピアノ、ベースを演奏している。
写真は、スタジオの控え室。このスタジオでレコーディングされた傑作ばかりが飾られていた。
マッキントシュのプレーヤーの青い光があまりにきれいだった。本当に動いているところ初めて見たかも。
余談だが、ジャック・ホワイトのサードマン・レコーズの部屋にもマッキントシュが置いてあった。
というわけで、9月の新作お楽しみ〜。