2010年暫定1位

2010年暫定1位

まったく気の早い話で自分でもどうかと激しく思うのだけど、
とにかくこの作品の格別さを伝えるべくこんなふうに言ってみました。
Beach Houseの3作目『TEEN DREAM』。

ボルチモア出身のアレックス・スカリーと、
パリ生まれ、あの巨匠ミシュル・ルグランの姪、ヴィクトリア・レグランド(英語読みね)の男女デュオ。
アレックスのスライド・ギターとヴィクトリアのオルガンからなるその音楽は、
とりたててスリリングなニュー・サウンドがあるわけでもないし、
聴いたことのないスペクタクルが展開するわけでもないのだけど、
あるべきところに望むべき最上の音とメロディが丁寧に置かれたドリーミー・ポップの至高の一枚、なのである。

どのシーンとも隔絶し、当世のインディー・マナーともリンクしないまま、
ただ「このような音がこの世に存在していることの至福」をかみしめるほかないその在り様は、
音の成り立ちはまったく異なるけれど、一昨年のFleet Foxesを思わせるものがある。

日本盤は2月リリースとのこと。
写真は彼らの2008年の作品『Devotion』。
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