聴くべしミューズ!
2009.09.17 23:54
昨日ついにリリースされたミューズ『ザ・レジスタンス』。
私はもう何度このアルバムを聴いたか分からないくらいなのだけれど、
何度も何度も聴いたことを差っぴいても本作の耳に残りっぷりは異常。
コンポとにらめっこするようにじっくり聴けば、
これがいかにコンプレックスな構造を持った作品かはすぐ分かる。
ミューズらしい、いや、ミューズの作品中でも際立って過剰かつ構築的な一枚だ。
超ド級のコンセプトを背負って立つ、頭でっかちな産物である。
でも、例えばデスクワークしながらコレを軽く流し聴きしていると、
気づいた時にはフンフンと鼻歌してるようなとっつきやすさを持った作品でもある。
コレを楽しむのに思考は必要なし。
ここまで本作がキャッチーなのは、
初期の彼らを彷彿させるメロウなメロディが多いからかもしれない。
でもたぶん、それだけじゃない。
ミューズの過剰さに耳が慣れた、というのとも違う。
過剰なりに音がお約束をなぞっているから、ってわけでもない。
なんと言うか、正しいのだ。
これがミューズの秩序なのだ。
極めて理知的に極めて様子のおかしいことをする、そんなミューズの法則が、
聴く者の中途半端な理知や中途半端な逸脱欲求を粉砕していく。
改めて唯一無比なバンドだなぁと。つくづく思う。
次号表紙!