「歌いたい!」「ギター弾きたい!」というピュアな想いがステージ上で暴れ回っているみたいな情熱的なスタイルはそのままに、よりハードでソリッドに爆発した“I thank myself (for all of me)”、アコギ弾き語りでしっとりと響かせた“明日で待ってて”、ダンサーも交えてハンドマイクでポップに弾けた“アイライ”など、パフォーマンスに緩急がついて、ライブで見せる景色のバリエーションが格段に増えていたのだ。
冒頭で「今夜は僕のギターで吹き飛ばします。そして抱き締めます!」と笑顔で言い放っていたけれど、ハードなギターで聴き手のボルテージをマックスにまでぶち上げて、ソフトな歌と等身大のMCで客席を優しく包み込むという、森 大翔流のライブコミュニケーションがひとつ確立されたように思う。
8月からの弾き語りツアー「響縁Ⅱ」、11月からのバンドツアー「REBORN」を通して、その「吹き飛ばす」「抱き締める」のどちらにもさらに深みが増してきそうだとワクワクしている。(畑雄介)
『ROCKIN'ON JAPAN』7月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。