まずは、歌詞。“Now is the best!!!”は、好きな人を恥ずかしげもなく《織姫》と呼んでみたり、恋をして浮ついている無敵状態なテンションが伝わってくる楽しい曲だったが、“風の噂”も《世界で1番嫌われ者の/君でさえ守り抜く》という突然始まる仮定の話と過剰な自信や、「零れ落ちた汗や涙でできた水溜りを二人で泳ぎたい」といった好きすぎるがあまりロマンチックを通り越した独特な愛情表現が、楽しげなサウンドとばっちりハマっている。
そして、心が躍る軽快なメロディ。“Now is the best!!!”で《今が最高じゃん》というフレーズが耳に残ったように、この曲でもサビで3回繰り返される《もっと》のリフレインが心地よい。さらに、ピアノの音色なども加わりポップな印象が一段と増している。
悲しい失恋の曲のほうが共感は呼びやすいし救いになるのかもしれないけれど、抑えきれない愛を、その勢いのまま、でもサウンドは緻密にパッケージできるのがトンボコープの強みであり、新しい時代にあったラブソングの形のひとつなのだろうと思わされた。
トンボコープは年末のCOUNTDOWN JAPANへの初出演も決定! こちらもぜひお見逃しなく!(有本早季)
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