「ポップであること」を軸にいろんな方向に振り切り、ポップミュージックの可能性を極限まで突き詰めた、1stアルバム『ALL ABOUT POP』。
アルバムインタビューで4人はようやくフルアルバムを作れた喜びを語っていたが、シギーの楽曲はこうしてリスナーの耳に触れ、ライブをとおしてコ
ミュニケーションが交わされることで、
一度完成したものがさらに進化して、目の前でもう一度出来上がっていくような不思議な感覚がある。
タフで力強い演奏はもちろん、ライブをやるごとに芯が太くなっていっている池田の歌も序盤から絶好調だったが、特に本編ラストの"スタート"が良かった。
生きていれば楽しいことばかりじゃないし、うまくいかないこともあるけれど、
それでもそんな毎日の先にあるものを信じて笑顔で進んでいける強さと信念をシギーは持っている。
そして、それがオーディエンスに伝わって勇気になり、ひとつの大きな希望になっていく様は、まさにポップミュージックが持つ可能性が確かな現実のものになっ
ていく瞬間だったのではないだろうか。
アンコールでは新曲も披露。これからもシギーにしかできないことを突き詰めていってほしいな。(中川)