3月27日に新作『ブラッドスポーツ』をリリースしたスウェードのブレット・アンダーソンはアルバムの好調さを受けて、バンドとしてもう1枚すごいアルバムを作りたいと語っている。
11年ぶりとなる新作『ブラッドスポーツ』はイギリスでアルバム・チャート10位を記録し、バンドにとっては99年の『ヘッド・ミュージック』以来のトップ10圏内を達成したが、ここにきてブレットはバンドがこのまま音楽制作を続けていけるかもしれないと『デイリー・スター』紙に語っている。
初代ギタリストだったバーナード・バトラーについての会話から始まってブレットは次のように語っている。
「かつてぼくはクリエイティヴな関係が実りあるものとなっている時、それをどぶに捨てるのは本当に愚かしいことだということを学んで、永遠に悔やむことになったからね。今スウェードの関係がまた動きだすことになって、ぼくとしては今度のすごいアルバムに続いてもう1枚すごいアルバムを作ってこのバンドにとっての新しい章を書き始められればと思うんだよ」
ブレットはさらにバンドがパフォーマンスへのアプローチを成熟させたことでより恩恵を被ることになったとも説明している。
「パフォーマンスについても、もっと集中してプロになれてるんだよ。と、こう言うと、つまらなさそうだけど、ぼくたちは今エネルギーをどう引き出せばいいのかそのコツがわかるから、その方がうまくいくんだ。90年代には、ライヴは毎日がお祭り騒ぎの中の一瞬のことでしかなかった。でも、今はライヴにこそみんなで全神経を注いでるんだよ。他の些末なことはもうどうでもいいんだ」
「これまでいろいろぼくも経験してきたし、それを説明するのも退屈なお決まりの話になるから、そういうことについては若いバンドに自分で経験してもらえればいいんじゃないかと思うよ。ぼくたちのやるべきことは素晴らしいライヴをやることで、そんな真面目くさった態度はロマンもなくてロックンロール的じゃないと思えるかもしれないけど、でも、それはぼくたちのライヴには花火が放たれるくらいのエネルギーは必ずあるということなんだ」
また、ブレットは『デイリー・スター』紙に対して「お金がないからレコード会社も無難なことしかやらないんだよ。なにか刺激的なものを育成していく余裕もないから、会議で音楽を作っていくんだよね」と音楽業界の現状を嘆いているが、バンド側もキャリア・ステップ・アップ的な発想を持ったバンドばかりになっているとも『NME』に語っている。
「オルタナティヴ・ロック・バンドをやるってこと自体がこの何年かのうちにひとつのキャリアに成り果ててるんだよね。でも、1989年の時点じゃ、ぼくは自分たちがキャリアを開いているとは到底思えなかったからね。5年先のことはおろか、5日先のことさえ考えなかったものだよ。だから、今のバンドだったら、自分たちのセカンド用に『ドッグ・マン・スター』のようなアルバムを作る動機は持ちえないだろうね。ぼくたちはいつも異端な存在だったし、レコード会社に対してもいつも腹にひとつ抱えている感じだったんだよ」
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