ジェイミー・リデル、ベックの「超能力」について語る

エレクトロニック・ミュージックの発想と奔放でソウルフルなボーカル・パフォーマンスを自在に展開する奇才ジェイミー・リデルの新作『コンパス』が5月12日にリリースされるが、ジェイミーがピッチフォークに語ったところによると「歌詞的にも、音的にも自分にとって最も正攻法な作品になった」と語っている。

ゲストも多彩な顔触れが揃っていて、ベック、ファイスト、グリズリー・ベアのクリス・テイラーを始め、ビル・ウィザーズやマーヴィン・ゲイなどといった伝説のR&Bアーティストとのセッション歴のあるジェイムス・ギャドソンまでもが参加している。そのうち、ベックなどはプロデューサーとミュージシャンとしても数曲にわたって参加しているが、そもそもなんか手伝わせてくれと声をかけてきたのはベックの方だったという。

「セッションの間、ベックのやってることがなんか妙で、その時の自分にはよくわかんなかったんだよね。曲の書きつけみたいなものを持ってきてて、コードをいくつか弾いていくうちに『うーん、なんか展開がまだよくわかんないけど、まいっか』とか言い出すんだよね。それからちょっとトランス状態に入ったような感じになって、またノートにぐちゃぐちゃなにかを書きつけると、『よし、これやろうよ』とか言い出すんだよね。で、その時はね、あらかじめ曲のほとんどが書いてあって、歌詞の一部をアレンジしてるのかなって思ってたんだけど、実はその場で曲の大半をそうやって書いてたんだよね。あんなクレイジーな曲をその場でフリースタイルで書くなんてぼくにはとうていできない芸当だけど、ベックにはできるんだよね。そこがベックの本当の超能力なんだよね。なんかちょっとまともじゃないから。ほんとにね、『じゃあ……星座についての曲を書こっか』とか言い出してそのままやっちゃう感じなんだよ。でも、瞬く間にいかにもベックの曲になってるんだよ」。

ちなみにジェイムス・ギャドソンをジェイミーに紹介したのもベックで、「ロスアンジェルス中のミュージシャンを知ってて、その仲立ちをすることでなんかおもしろいことを起こそうとしてるんだ」とか。
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