プーチン大統領への抗議デモで話題を呼んだプッシー・ライオットが帰還。新作について激白!

プーチン大統領への抗議デモで話題を呼んだプッシー・ライオットが帰還。新作について激白!

2012年にプーチン大統領への抗議デモとなるパンク・ロック・ライブを教会で行って逮捕され、その後投獄されるなど、過激な活動が話題を呼んだロシアのパンク・バンド、プッシー・ライオットだが、新作“Straight Outta Vagina”と“Organs”の発表にあたり、メンバーのナジェージダ(ナージャ)・トロコンニコワがピッチフォーク誌のインタビューに答えた。

“Organs”のミュージック・ビデオはこちらから。

ナージャは「パンクって、自分に毎日質問するようなものよ。毎日変化し、毎日自分にチャレンジするの。だから私にとってパンクはマリリン・モンローの曲みたいに聴こえることもある。『Chaika』をリリースしたときにパンクじゃないと言われた。身売りしたじゃないかって。でも私は毎日同じことを何度も何度もやることこそが身売りだと感じる。もし私が他の人が期待するようなことをやったら、それこそ身売りよ。もし新曲ごとに人にショックを与えることができたら、私は本物のパンクにとどまることができるってことだと思う」と話した。

―過去5年間に音楽はどのように変化したと思いますか。音楽で実際に何ができるかということに関してですが。

ナージャ「私の音楽の歴史はちょっとワイルドなのよ。子供の頃はクラッシック音楽の学校に行ったの。ピアノでモーツァルト、バッハ、ベートーベンを弾いた。8年間も勉強して、しばらく音楽が好きになれなかった。学校だと音楽を演奏することを強要させるでしょ。人間はそんな風にできてないのよ。自然と拒否してしまうのよね。音楽は子供の頃のように圧迫的じゃないと気づいたときに音楽に戻ってきたの。音楽で力づけることもできるってね。

オイ・パンクとライオット・ガールについて知ったの。私の主なインスピレーションの一つなんだけど、フェミニズムについて考えだしたのよね。そのときに政治的なアート・グループ『Voina』と関わっていたんだけど、女性の暴動に集中したことなんてなかったのよ。すごく政治的だったけど、女性についてじゃなくて、一般的な政策だった。結局女性はいつも影だったってことね」

―アートについての思想にパンクはどのように影響しましたか?

ナージャ「私は自分をコンセプチュアルなアーティストだと思っているの。私が思うに、だから音楽について他のミュージシャンよりも自由に感じることができるんだと思う。一部のミュージシャンは、ある理由から一つのジャンルにこだわらないといけないと思っている人もいる。私はそうしないといけないとは思わないの。だからいつも音楽を作っているの。音楽をまさに録音する際に新しい人と会ったときに「何をしたい?」と訊かれるんだけど、いつも私は過去にやったことのないことをやりたいと言うのね。今日は床屋スタイルみたいなコーデッツ(ロリポップで有名な女性バンド)に影響を受けた曲ができるし、明日はハードロックもできるし、次の日にはクラシックなピアノのバラードもできるみたいな。もしレコードを出すなら、全部の曲が全く違って、同じアーティストのものと信じてもらえないような。それが、コンセプチュアル・アーティストが届けることができる自由だと思う。技術サイドの事を気にしなければね。『これができたんじゃないか、できないんじゃないか』みたいな質問は存在しないのよ。やりたければ、何でもできるのよ。このアイデアを持ってる限りはね」

“Straight Outta Vagina”のミュージック・ビデオはこちらから。

―数年前にプッシー・ライオットは「録音された音楽は絶対にリリースしない、自分たちのアートを絶対商品化したりしない」と言いました。まだそう思いますか? アルバムをリリースする予定はあるんですか?

ナージャ「アルバムのことは全然考えないの。アナーキストであることだけじゃなくて――うん、それもだけど、もう現代的じゃないでしょ。メジャーなレーベルとか大企業はスローで、こういうシステムと関わりたくないの。もう違う時代でしょ。アルバムなんて誰が気にするの?」

―“Straight Outta Vagina”はどうやって作られたんですか?

ナージャ「5ページの歌詞を書いたの。全然ヴァギナのことじゃなくて。歌詞は地球上のすべてのことについてだったの。TV・オン・ザ・レディオのデイヴィッド・シーテックのところにいったら、彼はこれは多いな……って(笑)。で、これをコピーして、デヴィッド・ボウイがやったみたいにはさみで歌詞を切ったのよ。で、言葉をつなげてみたりしたの。すると、『あなたのヴァギナにはブランドがあるのか』って言葉が彼を襲ったのよ。『僕は身体的に襲われた』ってな感じで。で、その夜はヴァギナとブランドについて書いて、次の日に録音したの」

―きっと多くのプロデューサーがあなたがたと音楽を作りたいと……

ナージャ「(さえぎって)スクリレックスみたいな音楽?(笑)」
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