サントラが素敵な『Mommy／マミー』の主役スティーヴは、グザヴィエ・ドランが監督し、いじめの描写が残酷すぎて話題になったフランスのバンド、アンドシーヌの“College Boy”MVに出演していたアントワン・オリヴィエ・ピロン。ティーンにはあまりお勧めしないが、ドランなりの美学とメッセージがつまった印象的な作品でもある。20歳で長編デビュー作『マイ・マザー』を監督し、アン・ファン・テリブルと喝采された彼が、ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』を現代風にオマージュしたような衝撃的だが静謐なモノクロ映像が美しいMV。（井上貴子）