2010年、当時高校1年生だった清水英介(Vo・G)が高校の同級生ふたりとバンドを結成したのがAge Factoryの始まりだ。その後メンバーチェンジを経て2014年に清水、西口直人(B・Cho)、増子央人(Dr・Cho)という現在のメンバーで固まると、そこから彼らは作品を重ねながらひたすらライブを重ねてきた。Age Factoryが今後も存在するために絶対に必要だった、そういう作品になったと思います
心の内圧がそのまま外に溢れ出したような清水の歌と、貪欲に新たな音楽性を取り込みながらも、最終的にはすべてを血肉化して骨太なロックとしてぶっ放すサウンド。何かに迎合することもおもねることもせず、彼らは彼らの生き様と、その中で見えた景色と、生まれた感情をまっすぐに見つめ、それを歌にしてきた。それを守り貫く姿は外から見れば時にとても攻撃的に、あるいはとても孤独に見えたかもしれないし、それゆえに彼らはいわゆる「シーン」の中では常に異端だったようにも思う。だがそれはひとえに彼らの純粋さとナイーブさゆえだったのだと、今にすれば思う。
去年のアルバム『Songs』はそんな彼らが、初めて「みんなのために」という意思をもって作った作品だった。その結果としてかつてないほど多くの人にAge Factoryの音楽が届いたその先で、清水はもう一度自分自身、Age Factory自身に矢印を向けた。それが彼ら自身の新レーベル「0A」からの初リリースとなる最新作『Sono nanika in my daze』である。迷いや諦めも含めて今の彼らをそのまま注ぎ込んだこの丸裸なアルバムに、Age Factoryの正体が潜んでいる。
インタビュー=小川智宏 撮影=小杉歩
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年9月号より抜粋)
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