テイラー・スウィフト、楽曲が「白人優位主義的だ」という論評に抗議して泥仕合に

テイラー・スウィフト、楽曲が「白人優位主義的だ」という論評に抗議して泥仕合に

ついに待望の新作『レピュテーション』が本日、11月10日にリリースされるテイラー・スウィフトだが、左翼系のサイトで“Look What You Made Me Do”のビデオや歌詞が白人優位主義的だと論評され、このサイトを名誉棄損で訴える構えでいるという。

問題となっているのはカルチャーと政治についてのオピニオン・サイト「PopFront」で、編集長であるミーガン・ハーニングが執筆した“Look What You Made Me Do”評の記事

もともとこのサイトはかなり左翼的な記事を掲載していることで知られているのだが、ハーニングは白人優位主義を標榜する極右勢力にとって、テイラーの“Look What You Made Me Do”は自分たちの主張の正しさを再確認できる曲なのだと分析。そしてそれは極右勢力にとってのトランプの台頭と同様の意味を持つものだと解説している。

また、ビデオでテイラーが演壇でモデルをふたり背後に従わせてアジる姿は、ナチス・ドイツのヒトラーの演説の舞台にそっくりだとハーニングは指摘し、その映像は「尋常ではないし、不穏なものだ」と解説している。

また歌詞についても次のように持論を展開している。

テイラーの歌詞は、極右勢力がここ何年間かずっと感じてきたことをことごとく確認するものになっている。つまり、自分たちは抑圧されている、自分の意見を表明するのが怖い、自分たちは世の中から馬鹿物扱いされている、などと。

しかし、世の中の風向きが自分たちに吹いてきた今となっては、メディアで有色人種に『小突き回された』経験(カニエ・ウェストがVMA授賞式でのテイラーのスピーチに乱入した事件のこと)のある、白人でブロンドで保守的なポップ・スターが自分たちの気持ちを大々的に代弁して歌い上げることは、まさに自分たちの運動にとってうってつけなことなのだ。


「わたしたちは取って代わられるつもりはない」とか「あなたの王国の決まりは好きじゃない」という歌詞もまた同じような意味合いが込められたものだ。どちらも、白人は自分たちが脅かされていると感じているが、自分たちの既得権や特権を白人以外と分かち合うつもりはないといっているのだ。


それにテイラーがトランプ支持者ではないのかどうか、白人至上主義者ではないのかどうか、結局、わかりようがないのだ。


その後、「PopFront」ではテイラーの法律顧問団から即座に記事を撤回するように要求する書簡を受け取ったことを明らかにした。

この記事が「スウィフト氏を何かしらの白人優位主義運動の頭角的人物としてことさらに描く悪意に満ちた中傷であり、まるで根拠のない絵空事をさぞ事実であるかのように騙ったもので、まったくもってスウィフト氏のことを言い得ていない内容になっている」と顧問団が抗議しているのだという。

さらに顧問団は「PopFront」が明らかにテイラーに対する名誉棄損を働いていると断定しており、記事を撤回しない場合には訴訟も辞さないことを書簡の中でほのめかしていたと「PopFront」は伝えている。

これに対して今度は言論の自由への侵害への抗議活動を展開するNGO団体のアメリカ自由人権協会(ACLU)がテイラーの法律顧問団へ書簡を送付、その書簡でテイラー側に対して「PopFront」もハーニングも「憲法で保障された言論の自由を抑圧しようとするあなたたちの試みに屈することはありません」と伝えたとACLUのサイトで明らかになっている。

ACLUはハーニングの記事は、昨今のアメリカの政治状況についての論評であり、事実白人優位主義者の一部にはテイラーの作品を標榜する者もおり、さらにテイラーの音楽、歌詞、ビデオについての解釈も試みたものだと説明。そしてこの記事を撤回させることは憲法で保障されている発言や表現の自由を侵害することになると抗弁している。

一方、ハーニングは次のように強弁している。

メディアは高額で雇われている弁護士の言いなりになんかなるべきではありませんし、法律用語を前にして泣き寝入りするべきではありません。こういう恐喝戦術でテイラーはこれまでうまくやってきたのかもしれませんが、わたしは一歩たりとも引き下がるつもりはありません。


テイラー側からさらなる声明は発表されておらず、この問題に対しどのような態度を取るのか、注目が高まっている。
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