最近はピクサー映画『ソウルフル・ワールド』にゴキゲンなナンバーを提供したことでも話題になったジョン・バティステのエンターテインメント能力の高さは、人気TV番組の音楽ディレクターを務めるようなリーダーシップから来ているのだろうと思う。
本作も歌よし、演奏よし、アレンジよしと、音楽的な出来の部分で非の打ちどころのないアルバムで、ジャズとソウルをベースとしつつアフリカン・アメリカンの音楽の歴史を軽やかに渡り歩く様がとにかく爽快だ。
と同時に、バティステはブラック・ライブズ・マターの平和的抗議デモを音楽とともに率いたことで話題になったひとでもある。本作の“ウィー・アー”や“フリーダム”もまさにBLMのテーマ・ソングと言えるものだが、そこには何よりも音楽の喜びがある。公民権運動で歌われた歌がそうだったように。(木津毅)
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