本作はTakaの目的意識と覚悟そのものだ。リフで押す曲も、メロディに刻んだ情緒と衝動で一気に連れて行くメソッドも抑えられ、やや後方に重点が置かれた重いリズムと、やはり重く抑制の効いた歌が作品全体の手触りを決定している。磨き抜かれた肉体性を感じるだろう――要は「フィジカル」というやつだ。
これは新しい「やり方」などではない。Takaの覚悟がこの肉体を求めた、というとてもシンプルな話なのだと思う。アメリカの空気を吸うだけじゃない。アメリカの水準に見合う音楽的肉体改善を覚悟し、文字通りその身体で高く飛んで見せたアルバムである。Takaの目的意識がユニバーサルなバンドと戦える水準に達した。そして必然としてこのフィジカルが生まれた。そう思う。人は目的に殉じることでここまでできる。このカッコよさに勇気が湧く。(小栁大輔)