※3月26日発売、back numberのニューアルバム『ラブストーリー』を、発売日までカウントダウンしながら1曲ずつレビューしていきます。

M-6　“高嶺の花子さん“
シングルリリースされるというときに、初めてこの曲名を見たときの「……えっ？」という感じ。じつはその感じは今も変わらないのだが、その突き抜け感、やっちまった感こそがすべての始まりだったのだ。初めて蔦谷好位置とタッグを組み、バンドサウンドは一新。ストリングスのイントロから、バリバリディレイのかかったギター、そして手拍子上等の４つ打ちビートでじわじわと盛り上げるAメロから、離陸体制を取るブリッジ、そして裏打ちのハイハットで一気に花開くサビへ。ポップソングの武器を全部盛りにしたようなこの曲の強さは、明らかにバンドのメカニズムを変えたのだと思う。そういう曲だから、やっぱりタイトルは“高嶺の花”ではなく”高嶺の花子さん”でなければならなかった。すごく簡単にいえば、「ここまで振り切っても全然アリじゃん」ということを、蔦谷好位置とこの曲は気づかせてくれたのだ。妄想を暴走させた果てに《会いたいんだ
今すぐその角から／飛び出してきてくれないか》という主人公の願いはやっぱりどうしようもねえなと思うのだが、音に宿る眩しさに、思わず応援したくなる。その一方で、さんざん妄想しておきながら《僕のものに／なるわけないか》とか《いや待てよそいつ誰だ》とか、ふっと我に返る瞬間も妙にリアル。



明日はM-7　”MOTTO”です。
アルバム発売まであと7日！

↓これまでのレビューはこちら。
M-1　”聖者の行進“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98879
M-2　“繋いだ手から“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98907
M-3　“003”
http://ro69.jp/blog/ogawa/98928
M-4　“fish”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99019
M-5　“光の街”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99093